「熱が高いから脈は早いけど、綺麗な音だから問題ないよ。
じゃぁ次は口を開けてくれる?」

「…………」

わたしはこれが苦手…


「ん?どうしたの?これ苦手?」

そう言って見せてきた舌圧子。


「うん……オエッてなるのがイヤなの」

「分かった。じゃぁ、しないから口を少し大きく開けてくれる?」

頷いて、口を開けた。

ペンライトで喉を診てる司。

「赤いな〜。喉痛いでしょ?」

コクン

「咳も出てるもんね。頑張ったね、桜」

そう言って、頭を撫でてくれた。



「次は貧血具合見せてね」

そう言って、下瞼も降ろされた。


「酷くはないけど……普段貧血になったりする?」

「………月に一回くらい」

「そっか、酷い方なの?」

コクン

そう、普段は健康なんだけど、生理痛が酷くて寝込む程……

司と付き合ってからも、もちろん続いてたけど、会う日に重ならなかったから、司は知らなかった事。