時間が経つにつれて、熱が上がる桜は辛そうだった。


「さくら…」


呼びかけると薄っすら目を開けた。


「……ん?つ、かさ?……ケホケホッ」

「熱、下がらないから病院いこ?
俺が診るし、薬ももらえるから。
じゃないとずっと辛いままだよ。
咳も出てきてるしさ……」

桜の目線に合わせながら語りかけた。


「…………イヤだけど……
辛いままもイヤ……ケホケホッ」



桜の気持ちもわからないでもないけどな……


「そうだよね。でも、辛そうな桜見てる俺も辛いよ……
だから、病院いこ?」


「………………わかった」

何とか了承を得て病院へ行くとになった。




「あれ………」

起き上がろうと力を入れていた桜は不思議な声を出した。

高熱で体力を奪われた桜は自力で起き上がれなかったみたいだ。


俺が支えてやるとようやく起き上がれたけど、だるそうだ。


「………なんか、自分の身体じゃないみたい……ケホケホッ」