俺はこの日、美晴の側を離れられなかった。 『1人にしないで……』 なんて言われたら、簡単に離れるなんて出来ないよな…… 運良く、ICUの患者さんは安定していて、呼び出される事もなく、側に居られた。 「ひな、にぃ……」 俺が側にいる事が分かった美晴は、目が醒める度に俺の名前を口走った。 その度に俺は、美晴の手を握って、確認させた。 「ここにいるよ」 安心する美晴の顔は穏やかだった。