暫く歩いていると、沢山の人に声を掛けられた。

「チュロスはどこで売ってるの?」

「その格好、可愛いね」

「チュロスは何円?」などなど……


全部葵が答えてくれて私は、隣にいてるだけ……

それなのに、もう疲れてしまった……




そんな私の様子にすぐに気付いてくれる葵は凄いな……


「みぃ?ベンチに戻ろうか……」


「……うん」


ベンチに戻るまでの道のりの間も声を掛けられた。


ベンチに腰掛けてからも、声を掛けられて、葵が対応してくれている。

私は、皆が楽しんでいる場所で、暗い表情は見せたくないから、笑顔を貼り付けた。

長年の入退院のお陰で、笑顔を貼り付けるのは慣れっこだった。



皆に心配を掛けたくないから、得たものが、こんな所で役立つ打なんて……


そんな事を考えながら、笑顔を貼り付けていた。