そんな話をしていたら、

「あ、いたいた。桜、みぃ。見つけれて良かったよ。凄い人だな」

つーくんがやって来た。

「お疲れ、司。患者さんもういいの?」

「うん、後は、大和に任せてきた」

「そっか〜。意外と早く来れて良かったね。もう席空いてないよ」

そう言いながら、荷物を置いていた場所を空ける桜。

「サンキュー、桜。それにしても、ほんと人が多いな。みぃ、大丈夫?」

「うん、後ろだし、座れたし大丈夫」

「なんか変だなって思ったら遠慮せずに言ってね。そのために俺がいるんだから」

「はぁい」

そんな話をしていたら、各コートで試合が始まった。




葵もすぐにコートに出てきた。

「あ、葵だよ。がんばれ〜っっ」

私は、大声で応援することはあまり出来ないから、しっかり見つめて、心の中で応援。

大声をだすのは、体力を使ってしまうから、葵からもしちゃだめって言われたんだ。


整列した時に、葵と目が合った。

『がんばって』

口パクで伝えると、コクンと頷いてくれた。



試合が始まると、圧倒的だった。


「みぃっ‼︎ 葵、凄いね」

「うん、凄く上手くなってるね」

葵は、私が最後に見た時よりも、格段に上手くなっていた。

「悠斗くんとのプレイも息が合ってるね」

「仲良いもんね、あの2人」