それから一週間後。

無事に葵の試合の応援に行くことが出来た。

つーくんは急患が来たので、遅れて来るみたい。

会場までは、ひな兄が送ってくれた。

会場に着き、座れる場所を探す。

物凄い人で溢れかえっていて、座れるか不安になる。

「みぃ、あった。ここに座ろう」

辛うじて、一番後ろの席が空いていた。

「座れて良かったね。みぃ?大丈夫?」

桜は、私が人混みが苦手な事を知っている。

「こんなに凄い人だとは思わなかった」

「私も……司。早く来ないかな」

「後ろで良かったよ。圧迫感感じないし、大丈夫」

「ほんと?辛くなったら言ってね」

「桜、ありがとう」

その言葉を聞いて、にっこり笑う桜に、凄く安心出来た。



葵をコートの中で見つけたら、葵も気が付いて手を振ってくれた。

「葵は、みぃの事見つけるのほんと早いよね」

感心する様に桜が言った。

「そうなの?」

コート側に立ったことがない私は、その凄さがイマイチ分からない。

「だって、座席がほぼ埋まるくらい人がいる中で、ピンポイントで、見つけるなんて、なかなかできないよ」

「そっか〜。でも、どうして分かるんだろ?」

「そんなの決まってるじゃん。葵がみぃを思う気持ちだよ」

「そんなので、絶対分からないよ」

「それもそっか〜」