そんな事を考えていると

「そう言ってるよ?」

とかな兄の声が聞こえた。

これは俺に言ってるよな……



意を決して中に入ると驚いた顔をしたみぃがいた。



「どうして葵がここに?
帰ったんじゃないの?」

「かな兄に呼ばれたんだ」

「じゃ、じゃぁ、さっきの会話………」

「聞こえてたよ」

俺の言葉を聞いて、サーッと顔色をなくしたみぃ。

そして

「ご、ごめんなさい……」

急に謝った。

「どうして謝るの?
謝るのは俺の方でしょ」

「え?」

「俺が試合の事言わなかったから、みぃに嫌な不安な思いさせちゃってるんでしょ?」

「……………」

これは無言の肯定だな…

「かな兄やひな兄の言うとおり、みぃの体調や体の事を考えて言わなかったんだ。
でも、みぃはそれでも俺の口から聞きたかったんだよね?
ごめん……」


「……………」
唇を噛み締めて涙を溜めるみぃ。

「本音を言うとね、俺も言いたかった。
出るチャンスないかも知れないけど、知らせたかった。
でも知らせたら、みぃ、無理してでも行こうとするでしょ?」

噛み締めている唇にそっと触れる。

「……………」

「せっかく良くなってきてるのに、乱したくなかった………
なんて、みぃからしたら言い訳だよな」