俺たちの妹

「みぃ、少しは良くなってるんだよね?」

思わずひな兄に聞いてしまった。

「うん、心配ないよ。夏休みに入ってすぐの頃よりはいいんじゃないかな?
司さんも把握してくれてるし……」

「良かった……
みぃとね、来週くらいお出掛け出来るかな?って話していたんだけど……」

「う〜ん、そればっかりは司さんに聞いてみないとだな……」

「………だよね」

そりゃそうだ。

主治医は司さんだもん。

「でも…俺が主治医なら許可出してるよ。」

ひな兄から嬉しい言葉をもらえた。

「ほんと?」

「うん、日頃の美晴の様子もわかった上でね。
後はきちんと司さんに許可貰ってからだけどね」

「今度聞いてみる」

「そうしてやって。美晴にも気分転換は必要だしね」

「分かった。ひな兄、ありがとう」

「俺は何もしてないよ」

「でも、みぃが良くなってるのは、皆で診てくれたお陰だから……」

「それを言うなら、葵もありがとな。
妹の体調管理手伝ってくれて」

「みぃは、俺の彼女だもん」

そう言うと、

「美晴は俺の可愛い妹でもあるよ」

ニヤリと笑ったひな兄が目の前にいた。

「みんなにとって、大事な存在なんだね。」

「そういうこと」

2人で、顔を見合わせて笑った。