美晴に聞いたのが間違いだったな。

俺は苦笑しながら、美晴の頭をなでる。

「美晴、少し苦しそうだから、ベッド起こすね」

返事を待たずに少し起こす。

少し、呼吸が楽になったのか、ほっとした表情を見せる美晴。


美晴は自分からは決して、「しんどい」などの弱音や、「こうしてほしい」などの願望も言わない。

聞かれたら、言葉を選びながら答える。

周りに心配や迷惑をかけないように。


美晴の願望を汲み取ってやるのが、俺ら兄妹の役目だと思う。