「しっかり持ってないと落ちるよ?」

かな兄の言葉にギュッと力を入れる。


部屋に着き、ベッドに降ろしてくれたかな兄。

「これから安静生活がなくなるまでは、これを付けておいて欲しいんだ」

そう言って渡されたのは、以前つーくんとかな兄が話していた酸素……

入院中もずっと付けていたけど、そのおかげで、退院が出来たから仕方ない。

「うん……」

「酸素付けてると邪魔だろうけど、貧血も改善されるし、息苦しさもなくなるはずだから、今のみぃには必要だよ」

そんなこと言われたらイヤなんて言えないよ。

「わかった」

「じゃぁ、部屋着に着替えて早速付けておこうか。
みぃ、今はどう?貧血の症状とか息苦しさとかない?」

「今は大丈夫」

「そっか……じゃぁ、俺たちは一旦出るね」

かな兄、何だか一段と心配性が増した気がする。

でも……入院までしたんだもん、仕方ないか。

そう思い直し、部屋着に着替えて、酸素を付ける。

これだけの事なのに、疲れちゃった……



ベッドの背もたれに凭れて少し、休憩……