「彼方、家に酸素あったよね?」

司が唐突に聞いてきた。

酸素濃縮機はある。

以前、みぃの喘息が酷い時に使っていたものだ。

「あるよ。最近は使ってないけど……」

「あれ、退院したら再開させようかと思って。
今のみぃの状態を見ても、少し楽そうだし、実際、数値も安定してるから…」

「酸素……」

「うん、みぃの体調なかなか良くならなかったの、酸素不足も一つ要因にあるかもなんだ。
一つずつ潰していかないと、夏休み中に復活出来ないからね……」

「そっか……。退院したら、また頑張るね」

ニッコリ笑うみぃを見ていて、少し心苦しかった。

「みぃ、1人で抱えちゃダメだよ。
俺も、司も日向も、葵もいるんだからな」

思わずそう言ってた自分に驚いた。

「そうだね。みんなに支えてもらわないとダメな体だけど、まだ学生生活送りたいから、お願いします」

健気なお願い事だよ……