「恥ずかしいのと、無理やり診察されるのどっちがいい?」

「究極な選択ですね……」

「ははっ。そりゃそうだ」

「でも…………」

「でも?」

「…………………考えておきます」

「うん。選択肢が増えた、くらいに思ってたらいいよ」

「そうですね」



桜ちゃんの意外な一面が知れた時間だった。

こうやって、少しずつ、お互いの事しれて行けたらいいな……



さて……

仕事終わらせないとだな。



「桜ちゃん。ちょっと仕事終わらせるから、俺に時間くれる?」

「もちろんです。
その間に葵に連絡しておきます」

「そうだね。
1時間猶予くれたら大丈夫だから」

「分かりました。
じゃぁ、売店行って雑誌でも買ってこようかな〜」


勉強じゃないところが、葵やみぃとの違いだな〜。

そんなところも可愛いんだけどね。


「うん、桜ちゃんの時間だから好きに使ったらいいよ」

「じゃぁ、売店行って来ます」


ガラっ


桜ちゃんは診察室を出て行った。