「やった。司さん、ありがとうございます」
葵は爽やかな笑顔を見せた。
「俺も。司と葵が傍にいてくれるなら安心だ」
穏やかに微笑む彼方。
「フフ…かな兄は彩先生との約束守ってあげてね」
「………っっ!!葵は聞いてたんだったな…」
葵はほんとに気が付くヤツだ。
「みぃが聞いてても同じこと言ってるよ」
葵はしたり顔。
「優しい妹と弟に思われて、兄ちゃんは幸せだよ」
二人で微笑みあう彼方と葵。
「あ、そうだ…
みぃにはまだ言ってないんだけど、葵の耳にも入れておくよ。
夏休みに入ってからは当分、安静生活をしてもらおうと思ってるんだ」
「…………安静生活?」
「今のみぃの場合は極力寝ていてほしい。
これから迎える夏の暑さの為に、体力温存と思ってもらうのがいいかな」
「出かけるのは控えたほうがいいって事?」
「それもみぃの体調次第。
それと場所も考えないとかな…」
「みぃとテストが始まる前に約束してるんです。
夏休みに入ったらデートしよって」
「どこに行くつもり?」
「水族館」
「なら問題ないよ。
でもみぃの体調と相談してからかな」
「良かった。
俺もみぃも楽しみにしてるから……」
「フフ、もしかして初デート?」
「///……はい……」
茶化してみると、少し照れながらも答えた葵。
「初々しいね。
俺も彼女ほしくなっちゃった」
ほんと誰かいい子いないかな~。

