ガチャ

美晴の部屋へ行き、そっとベッドへ寝かせる。

おでこに手を乗せて

「早く元気になります様に」


母さんがよく美晴にしていたおまじない。

つい、俺も兄貴もしてしまう。


ほんとに早く治るんじゃないかと思ってしまうくらい効果があるんだ。








次の日……

「美晴、おはよ」

「…ん。ひなにぃ。おはよ」

まだ半分寝ながらも挨拶する美晴。


「体調はどう?」

「昨日より少し軽くなったよ」

「熱、測ってね」

「……うん」

手渡した体温計を受け取る美晴。



ピピッピピッピピッ

「見せて」

素直に差し出された表示には、

37.2

昨日の夕方よりは下がってるな。



「まだ微熱だけど、昨日よりは下がってるよ」

「ほんと?よかった〜」

ホッと息を吐いた美晴は、安心したんだろうな。


「教室で受けてもいい?」

「美晴は教室で受けたいの?」

「うん」

「今日は何教科?」

「4教科」

「……辛くなったら保健室に行くことが約束出来るならいいよ」

「ほんと?」

「ただし、無理は絶対しないこと」

「ありがとう、ひな兄」


俺も大概美晴に甘いな…