「そうなのかな…わかんないや」

私が苦笑すると、悠斗君の顔がほんのり赤くなった。


「おい。俺のだからな」

葵が低い声で悠斗君に言った。


「わ、分かってるよ。
ただ、苦笑であの顔って、普通に笑ったらめちゃくちゃかわいいじゃん。俺にも笑顔見せて欲しい」


「ゆ、悠斗君。何言ってるの……
そんな事ないよ〜。恥ずかしぃ」

咄嗟に葵の後ろに隠れた。


「そんな行動も可愛いな〜」

「みぃ、気にしなくていいよ。
誰にでもこんなだから」

葵は頭をポンポンしてくれた。

「……そうなの?」

「そうそう。
だから気にしなくていいよ。
それより、みぃ、勉強進んでる?」


「うん、休んでた分を取り返さないとだから、退院してからやってるよ」

「流石だな。テストが終わったら何処か行こうか…涼しいところ」

「うん、行きたいっ」


私達のやりとりを、桜と悠斗君がニヤニヤしながら見ていたなんて知らなかった。

だから、

「あの二人、何だかんだ言って、ラブラブだよね」

こんな2人の話し声も聞こえなかった。