ふと点滴に目をやるとそろそろ終わりの頃だった。

いつもの癖でナースコールを押した。

「はい」

「あの…点滴が」

「え?みぃちゃん目が覚めてるの?
すぐに先生に知らせるから待ってて」

由奈さんの慌てた声が聞こえた。


あ、目が覚めたらナースコールで知らせなきゃだった…

色々考え事してたら、忘れちゃってたな……



ガラッ

「みぃ。目が覚めたんだね。よかった」

つーくんが来てくれた。


「少し前に覚めてたんだけど、ナースコールするの忘れちゃって…」

「みぃが忘れるなんて珍しいな。
何かあった?」

「え?……ちょっとね………」

「そっか……1人で抱え込み過ぎんなよ。じゃぁ、少し診察させて」

つーくんはそう言いながら聴診器を用意した。

「熱測ってくれる?」