竹内さんを置いて歩き始める俺と桜。
少し経った頃……
「葵も言う時は言うんだね」
桜が呟いた。
「俺、そんなに言わない感じに見える?」
そんなつもりはないんだけどな。
「私達の前では言ったことないでしょ。意外すぎてビックリ」
笑ながら桜は言った。
「葵は基本優しいからね。
キツイこととか言うのも苦手そうなのよ」
「好きではないよ。
でも、俺の仲良い人たちに迷惑かかることされると、言わなきゃでしょ。
それより、桜はやっぱり強いな」
「どういう意味よそれ」
怒り出した桜。
「い、いや。
竹内さんに言いたいこと言って、聞いてる俺がスッキリしちゃった」
「はぁぁ…。
人が言ってるのを聞いてスッキリしてちゃだめでしょ…」
深いため息をつかれた。
「それもそうだな。気をつける」
「まぁ、みぃが絡むと葵、一気に男らしくなるもんね〜」
ニヤニヤする桜。
「みぃが側に居てくれるなら何だってできる気がする」
「はいはい。惚気はいいですよ」

