校門へ着き、桜を待つ。
「あの……葵くん…少しいいかな?」
声を掛けられた。
「何かな?」
俺の名前は知ってるらしい女の子。
「私、竹内杏奈といいます」
あ、桜が言ってた子だ。
「私、みぃちゃんの友達なんですけど、葵くんの話聞いて、話してみたいな〜って思って。
今から時間空いてますか?」
そうきたか…
「みぃの友達なんだよね?」
「はいっ」
目を輝かせてる竹内さん。
「じゃぁ、今のみぃの状況も知ってるはずだよね」
「え?」
「まさか、知らないの?友達なのに?」
「えっと…」
視線の先に桜が見えた。
どうやら、俺たちのやりとりを見ている様だ。
「熱中症で病院に運ばれたんだよ。
木陰で見学してたはずなのに可笑しいよね。
竹内さん、気づかなかった?」
「え?」

