ズルズルとしゃがみ込み… ドサッ 倒れてしまった。 「みぃっっ」 駆け寄ると、ぐっしょりと汗をかいていて、呼吸も早い。 「みぃっ。みぃっ」 呼びかけに反応しない… 俺はみぃを抱き上げて保健室へ急ぐ。 「おい、谷口。 授業中に勝手な行動は慎め」 俺に声を掛ける体育教師の言葉を無視して、グラウンドを駆け抜ける。 「先生。葵の腕の中見て言ってます? それを見て言ってるなら、俺、先生の事、軽蔑しますよ」 そう言っていた悠斗の言葉は聞こえていなかった。