「日向、野村さんから聞いたけど…って、大丈夫か?」

「あ、兄貴…」

「熱、38.5だったんだろ?家出る時の条件の体温超えたから、帰るぞ。」

「寒い…」

「え?寒いのか?」

コクン

俺の頷きを見て、おでこに手を当てる兄貴。

「日向、もう一回測って」

そう言って差し出される体温計。

「同じだよ」

「いや、多分上がってるから。体温見て、診察してから帰った方がいいか判断する」


そう言って、体温計を挟まれた。

「ちょっ、兄貴っ‼︎」

「黙って」

真剣な顔で言われたら、黙るしかない…




ピピッ、ピピッ、ピピッ

スルっと抜かれた。

「日向、上がってる。診察して薬もらってから帰れ」

机に置かれた体温計を見ると、38.9

確かに上がってる…