「美晴、そろそろ行こうか」

ひな兄から声が掛かる。

「はぁい。用意するね」

そういって、洗面台へ行き、髪を梳かして、身だしなみチェック。

「久しぶりだから、緊張するな〜」

鏡に写った制服姿の自分を見ながら思わず呟いた。

「美晴?大丈夫?」

少し遅かったのか、ひな兄が声をかけてくれる。

「大丈夫。少し緊張するなって思っただけ」

「葵も桜もいるだろ?心配することないよ」

「そうだね。心強い存在がいるもんね」

「さ、行こうか。いくら車でも、のんびりしてたら遅刻しちゃうよ」

「はぁい。かな兄、いってきます」

かな兄に声をかけた。

「今日は久しぶりの学校だから、無理はしちゃダメだよ。しんどくなったら保健室ね。彩がいるから安心だけどな」