俺は妹の美晴の診察の準備のために部屋に入った。

「ったく、あんな顔色してて何もないって方がおかしいっての」

美晴を起こしに行った時、顔色は青白かった。

いつもはもう少し頬がピンクがかっているんだけど、今日はそのピンクがなかった。

そんな事を思いながら、兄貴に頼まれた診察の準備にとりかかる。

聴診器、血圧計、舌圧子、血流計、ペンライト、手袋、念のために吸入器も。

この部屋には、美晴の具合が悪い時には点滴も出来るように点滴台もある。


準備をして部屋を出ると、

「頑張って食べたな」


と、兄貴の優しい声が聞こえてきた。

『食欲はあるんだな』

多分半分しか食べられていないだろうけど、美晴にしたら十分頑張っている量だ。