まだ飲むには熱そうなコーヒーを見ながら、一人なのにクスクスと笑いがこみ上げていた。
「……さて」
いつまでも笑ってないで、さっさと勉強に取りかかるとしますか。
わかんないとこあったら後で先生に聞こう。
鞄から取り出したのは、ペンケースと教科書とノートと、
あと前に買った参考書。
そんなに大きくないものだから、いつも鞄に入れて持ち歩いてるのだ。
毎回使うわけではないんだけど……なんとなく。
「テスト範囲は……」
一人になると学校中のいろんな音がよく聞こえてくる。
外からは部活中のかけ声や鳥の鳴き声、少し遠いけど体育館の音も聞こえてくる。
図書室はいつも閉め切ってるからあまり感じたことなかったけど、意外と賑やかなんだなー。

