先生は、珍しくTシャツにジャージ姿だった。
えっ、いつもワイシャツとスーツのズボンなのに。
「そうだったんですかー」
とりあえず先生の言葉に相づちを打ち、そのまま図書室から離れた。
先生に近づくと、なんだか違和感。
「なんで先生、いつもと違うんですか?」
「イメチェン」
「えっ!」
「嘘だよ」
違うのは服装だけで、いつも通りの表情のまま先生は先に教室に入っていく。
あのまんまの顔で言うから、ほんと冗談なのか本当なのか見分けつかない…。
何も言われてないのについて行くように教室に入ったわたしは、
黒板を掃除し始める先生を何も言わずに目で追う。

