島田先生も、毎日自分のもとに来るひかるちゃんを見てて、何か感じてたりするのかな?


そうだったら嬉しいな。


まるで自分のことのように心の中で小さく願掛けをしながら、あっという間に図書室の前に着く。


そのドアを開けようとして手をかけたんだけど、

ガッ…と音を立てるだけで、素直に開いてはくれなかった。


あれ?鍵閉まってる?


昼休み来た時にはいつも通り堀川先生と話したことを思い出し、おかしいなとポツリと呟いた。


その時、


「佐藤?」


少し距離があることがわかる声が廊下に響いた。


その低い声は振り向かなくとも誰だかを教えてくれる。


「堀川先生、今日は用事があるみたいでもう帰ったよ」


物理教室に入ろうとしてたのであろう斎藤先生が、そこからいつもより大きめの声でわたしに話しかけてくる。