わたしだけ、きみだけ


キラキラと目を輝かせてかなり嬉しそうにはしゃぐ姿は、きっとわたしには真似できない。


こんなに何かを喜ぶこと、わたしできるかな?

いや、まずテストという時点で無理です……。


「やったー!テストだー!」

「なんだ、水島はそんなに勉強が好きだったのか?」


今までの会話になかったはずの、男性の声が耳に入る。


振り向くと、名前を聞かずともその人が誰なのかがわかってしまった。


「せ、先生!」

「テストやったーって、俺教師になって初めて聞いたわ」


少し緩めの白いTシャツに紺のシャカシャカしたジャージを履いていて、
髪の毛は眉毛にも耳にもかからない長さで。

これだけでかなりスポーツマンに見えるその人は、大きな二重の目を細めて笑っている。