わたしだけ、きみだけ


「みんなが知らないその人のことを知ると嬉しくて、その人が笑うだけで幸せって思えて。
でも、泣きたくなる時もあって…。
あたしは、こんな感じ」

「なるほど…」

「ねえそら、もしかしてだと思うんだけどさ?」

「?なあに?」


真剣な面持ちでひかるちゃんが顔を近づけてきた。


近くで見ると、ひかるちゃん肌綺麗だなあ……

まつ毛も長いし、とことんかわいいんだな。


なんだか、わたし、どんどん変態っぽくなってる気がするのは、気のせい?


「…?ひかるちゃん?」


てっきり何か言われるのかと思って待ってたけど、
ひかるちゃんは何も言わずに元の体勢に戻った。


「…んーん。なんでもない!」


すると次には立ち上がって、
お手洗い行ってくるね、とスタスタ歩いて行ってしまった。