「それって、すごいレアだよね」
「え?なにが?」
「先生が笑うのって」
いつでも、誰に対してもあの無表情なのかと思ってた。
でもやっぱいくら先生でも、ひかるちゃんと話したら自然と笑顔になるのかも…。
なぜか、胸がズキンと痛んだ。
「そんなことないよお!先生はいつも笑顔だよ。あたし、あの笑顔が好きなんだっ」
いつも笑顔?
その言葉が、わたしの中でひっかかった。
だってそんなの、正直先生には一番似合わない言葉だ。
いつも無表情、これが正真正銘、先生なんだから。
それに、先生は今日髪なんて切ってなかったはず。
むしろあれで切ってたなら元がどんだけ長かったのって話になっちゃう。
そして極めつけは、"恥ずかしそうに笑ってた"………

