「あ!ひかるちゃん待たせちゃう!」
「黒板ありがとう。…いつもより綺麗だな」
つい力が入っちゃいました!
チョークの粉で白くなった手を水でささっと流し、
タオルで拭いてから教材とペンケースを抱える。
「じゃあ先生、また来週。さよならー」
ひかるちゃんとまだ仲良くなる前は、斎藤先生と堀川先生だけがわたしの話し相手だった。
特に斎藤先生といると、なぜだか自然体でいれて、
思わず敬語を使わずに話してしまうことも時々あるくらいだ。
先生も、だいぶ心を開いてくれてるみたいで、笑顔はだいぶレアじゃなくなった。

