机の上に置いた本を持ち上げて、ひかるちゃんはペラペラと捲った。


「えと、恋愛…小説……」

「恋愛!そらも好きなのっ?」


ひかるちゃんは目をキラキラさせて、もう本なんてどうでもいいかのように机の上に置いた。

やっぱり女の子は、そういうの好きだよね…。


「いや、勉強しようと思って」


なんか恥ずかしくなってきた。


「勉強って、どうしたの〜」


ケラケラ笑いながらひかるちゃんは、朝みたいにほっぺをつんつんしてくる。

からかわれてる…恥ずかしい……。


「いや、わたし恋愛とかあんま興味なくて。でもそれっておかしいかなって思って。
だからまずはどんなものなのかを見てみようと…」

「かったいなー!いい?そら。恋愛はね、勉強なんてするもんじゃありません。感じるものです!」


両手を腰に当てて、すごく自慢気に笑うひかるちゃん。