てっきり元あった場所に本を置きに行ったのかと思ってたら、
戻ってきた堀川先生の手にはさっきと違う本があった。
「これ先生今ハマってるの。佐藤さんも読んでみない？」
「どんなお話なんですか？」
前回のオススメが大当たりなだけあって、新しいのにももちろん興味が湧く。
表紙は薄いピンクが地になっていて、かわいらしい印象を抱いた。
「今度はね、ラブストーリー」
「ら、ラブ？」
ニコニコしながら堀川先生は持ってる本をペラペラと捲る。
一冊のページ数がわりと多い。
「恋愛ものは興味ないかな？これ、短編集なんだけど、どれも面白いの」
「へぇ〜」
なるほど、短編集なんだ。
