「あら、佐藤さん、もう全巻読み終わったの?」
「はい。とても面白かったです!」
昼休み、わたしはお気に入りの場所、図書室に来ていた。
ここに通うようになってからずっと読み続けていた、
図書室の先生…堀川先生オススメの推理小説。
16巻もある長編だったのだけど、あまりにも続きが気になって、
暇があればずっと読んでいた。
そして昨日の夜ついに読み終わったから、早速返しに来たってわけです。
「特に最終巻が面白くて、2回も読み返しちゃいました」
「すごいね〜。それだけ気に入ってくれて嬉しいです」
返却の手続きを済ませると、ちょっと待っててねと言って、
堀川先生は小説コーナーのある本棚の方へ歩いて行った。