「まだこっちに越して来たばかりでわからないことばかりですが…娘をよろしくお願いします」


お母さんが頭を下げた。


「いえ、こちらこそ」


それでも変わらない表情。

まるで台本が用意してあって、ただそれを読み上げてるような。

教師かを疑う前に、人間かどうかも怪しく思えてくるレベルだ。


「よろしく、佐藤さん」


でも、声は少し好きかな。

低くて、大人のオトコって感じ。

けど先生の顔はよろしくなんて思ってなさそうで。

愛想笑いすらしてもらえないのか…。


ちょっと苦手だな、ってのが印象的だった。