わたしだけ、きみだけ


「えっ」


差し出されているのは、薄い青のペンケース。

同じものを持っている人はよく見るけど、
それに付いているお花のキーホルダーで間違いなくわたしのものだとわかった。


「それです!ありがとうございます」

「あとノートも忘れてたけど」


えっ?


腕に抱えていた教材に目をやると、確かに物理用のノートも持っていなかった。


何してんだわたし……。


「すみません…」

「いやいいよ。ちょっと待って」


教卓へ戻りノートを手に取る先生。

背中が、さっき物理の時間前で寝てた男子よりも広い。