「学校にはもう慣れた?」


後ろには相変わらずふわふわな頭の斎藤先生。

たぶんこれは、パーマじゃなくて癖っ毛なんだろなーってことも気づいたことだったりする。


「あーはい、まあ一応」

「そうか」


苦笑いしながら答えるわたしを見て、先生は表情を変えた…
わけなんてありえなくて。

それこそ相変わらず無表情。

一週間前からこの表情以外見たことがない。


「物理、どう?」


わたしの手にある教科書に目を向けて先生は言った。