「……佐藤」


このまま寝かせておいてやらうかとも思ったけど、そうとはいかない。


少しだけ体を揺すると、閉じていた目はすぐにゆっくりと開いた。


「なに寝てんだ」

「ふぁ?せんせぇ…?」


半開きの目は、まだ彼女が半分夢の中にいることを物語っているようだ。


誰がどう見ても寝ぼけてるな。


「これ、解ける?」

「これ……わかんなぃ……」


おいおいおい。

せっかく起こしたのに、また寝ちゃったよ…


よっぽど心地よいのか、こっちまで眠くなりそうになるほど、佐藤は気持ちよさそうに寝ている。


少し長い前髪のせいで顔は隠れてしまってるけど、寝息を聞けばそれはわかる。


……まあいいか。