でも佐藤はよくわからない奴で、俺と話す時は、一番最初の印象のままだった。
話しかければ普通に話すし、たまに笑ったりもする。
それに、たぶん20センチは離れてるだろう俺のことを、ちゃんと見上げて目を合わせてくる。
ほんとに、2人で話してると、普通の女の子にしか見えなかった。
佐藤は色素が薄いらしく、髪はそのせいで茶色。
しかも瞳まですごく茶色い。
俺を見上げる目は、綺麗で純粋で。
最初は人見知りの転校生だから、と思って気にかけていたけど、しばらく経ってからは彼女がいれば話しかけるようになっていた。
たぶん、その純粋な目が俺は嬉しかった。

