私とあの子の好きな人



【七海side】


さっきからうろうろと歩き回っている。

落ち着かない。

落ち着けない。



今頃優花は裕也に告白してる。



ちゃんと伝えられたのかな。

そしたら、裕也の返事は?

もしかしたら............。


「っ、ダメ。悪い方に考えちゃ」


私が裕也を呼び出したのは4時半の屋上。


時計はさっきから一向に進んでくれない。


「......待つのって、こんなに長かったっけ」




怖い。

裕也が優花を選んで、もしも断られたら?

むしろ、そのまま帰ってしまって、ここにこなかったら?


怖い。

怖すぎる。




「あぁもう。どうしよ......」

真ん中に戻って、じっと待つ。

けれどすぐに動き出したくなって、


そこでドアが開いた。

「!」


振り返ると、そこには。


「ゆう、や」

「...........................」



ぽつぽつと歩いてくる裕也は、いつもと雰囲気が少し違う。


「...ねぇ」

「さっき、優花に告られた」

「っ、そう...」


''なんて答えたの?''

なんて、聞きたくても言えなくて。

口を開けたり閉じたりの繰り返し。



あぁもう。どうして裕也もそんなこと言うの!

告白しづらいじゃないの!!



「............断ったよ」

「、っ...そう、なの」


そう聞いて、ホッとした。

今度は、私が言わなきゃ。


だって、優花を断ったからって、私が受け入れられるとは限らない。



「...うん。だってさ、俺」


だから、次は私の番。






























「お前が好きだし」












「...............へ?」






何を言われてるのかわからなかった。

「今、なんて?」


「............お前が好き」


「っ」


それは、私が聞きたくてしかたなかった言葉。

今から、私が言おうとしていた言葉。



「お前から呼び出されたってことは...さ」



「......期待しても、い?」



期待。


「.........うん。うん」


私は頷くことしかできなくて。

何も言えない代わりに。


「っ!?」


裕也のネクタイを引っ張った。

そして、


「、っ」


裕也にキスをした。




「............七海?」


「...ねぇ」





「.....................好きです」