【優花side】
友達でいてくれるって。
七海がそう言ってくれて、2人で泣きながら笑った。
何も知らない人が見たら、きっとおかしいんじゃないかって思われると思うけど。
しばらく泣いて、笑ったあと、スッキリした顔で七海は言葉の爆弾を放った。
「じゃあ、これからはライバルだねっ!」
いや、そうなんだけど...ね。
そうなると思うんだけどね。
「改めて言われると......勝ち目が...」
無さすぎる。
「何いってんの!?あんたたち仲良さそうに話してたじゃん!」
「それとこれとはべつで......」
友達と恋人は違うんだよ。
私みたいな子を好きになってくれる人なんて...そうそういないよね。
「.........優花」
「?」
ぐいっと顔を覗きこまれる。
「な、なに」
「あんたは可愛い!」
「..................は?」
は?
急に何を言い出すのこの子は。
「可愛いから!自信持ってよ!私のライバルでしょ!?」
「...でも」
「じゃなきゃライバルだなんて認めない!」
それは.....................。
「でも......やっぱりさ...」
「あのね、優花」
今日の七海はなんというか、自信がありすぎる気がする。
「もし、もしだよ?優花のことを好きだって言ってくれるひとがいたとして。優花自身が優花を悪く言ってたらさ、その人のことも悪く言ってるってことになるんだよ?」
「......そんな人いないよ」
「もしっていったでしょ」
もし、万が一にもいない気がする。
「...じゃあ綺麗になろう!」
「は?」
「自信がもてないなら、もてるようにするの!メイクして、髪もセットして、可愛くなるの!」
’’自信がもてないなら、もてるように’’か。
「.........私、も可愛くなれる?」
そう聞くと、七海はぱあっと花が咲くように笑った。
「もちろん!てか、優花は元から可愛いし!」
もう。この子にはかなわない。
けど。
そんな七海が大好き。

