私とあの子の好きな人


「とりあえず、どっか行こうぜ。腹へった」
「う、うん、そうだね」

先に歩き出す裕也の後ろを、慌ててついていく。

白Tシャツに黒のパーカー。

その下には、黒のジーンズ。

いつもの制服とは違う姿に、ドキドキする。

かっこいいなぁ。

こうやって隣を歩けるということが、たまらなく嬉しい。


ほかほかした気分の中、私は裕也と出店を回って、たこ焼きやらりんご飴やらを食べて、花火大会の会場へ。


「ここでいいんじゃね?上がるのあっちだろ?」
「そうだね。じゃあここで見ようか」

ビニールシートをひいて、そこに二人で座る。

小さなビニールシートの上では、肩先が触れて、とてもドキドキした。

「お、始まった」
「え?」

じっと裕也を見ていたせいで、気づかなかった。

慌てて空を見上げると、ぱっと火の花が咲いた。

「わぁ。綺麗」
「なー。すげぇ」

ちら、と裕也を見ると、無邪気な子供みたいな笑顔で笑っていて。

今、今しかない。

今言わなきゃ、きっと伝わらない。

「ねぇっ、裕也!」
「ん?どした?」

花火を見つめたまま、そう聞いてくる裕也。

きゅっと唇を噛んで、息を吸う。

「...私ね」
「んー?」
「裕也のこと...っ」

’’ずっと好きだったの’’そう言ったと同時に、とても大きな花火が上がって。