【優花side】
「でね、どうしたら可愛いとか、思ってくれるのかなって...」
え。
「七海、そのままでも可愛いじゃない」
むしろ分けて欲しいくらい。
それ以上可愛くなってどうするの。
「そのー、なんていうかっ」
どうにかして伝えようとする七海がおっかしくて、笑ってしまった。
「もー、なんで笑うのっ!」
「ごめんごめん」
可愛くてw
そのままの素が一番可愛いと思うけどなぁ。
私は、とりあえず花火大会に誘ったら、と提案してみた。
「よーっし!うんと可愛くしていこ!!見てろよ裕也ーーっ!」
そうやって意気込む七海を見てると、なんでか寂しくなった。
ううん、寂しい、というより、悲しい?
......また、だ。
二人が仲良くするのはいいことだと思うし、協力したいと思う。
けど、なんか、どこかで嫌っていう思いもあって。
今日はなんだか情緒不安定。
なんだか、自分じゃないみたい。
「そうそう!なんだったら私がヘアメイクしてあげようか?」
その気持ちを誤魔化すように、わざとやけに明るい声を出して七海の背中を叩いた。
なんでかはわからないけれど、なんというか。
この気持ちは、七海には言ってはいけない気がした。