なぜだろう。
まつ毛が痛くて起きた。

頭が呆然とする中、最初に目に映ったのは真っ白な、薄暗さに溶け込んだ天井だった。

「起きたか」

真横、右側から、声がした。
窓から光は差し込んでない。
きっと夜なのだろう。



『あなた…どちら様…?』
声が出なかった。声にならない声で、顔がはっきり見えない方へ目を向けた。



「なんだ、そうやって女の子みたいに口聞けるんだな。」


クスッと、若い男の笑い声が聞こえた。