「出逢い」
優は22歳の時失恋をした。
職場の上司。年は優より6歳上。最初の頃は大キライだった。。、声も小さくて、弱そうで上司と思えないほとだった。だけど凄く優しい人だった。性格だけではなく話し方も何か凄く優しくて、面倒見もよくて、気遣いな人。優はそんな上司にいつの間にか惹かれていた。だけど気持ちを伝えることなんて出来なかった。優は男の子と付き合ったことがなかった。告白したことはあったがいつもフラれるのだった。だから自分に自信などなかった。だから今も上司に告白してもフラれるだろう。そう思っていたのだった。告白出来ないままでいた。だけど、その上司に彼女が出来結婚するという話を聞いた。その話を聞いた時凄くショックだった。涙は出なかったもののショックは大きかった。しかも相手の彼女は部署は違うものの同じ会社内の女の子。お昼の休憩中にみんなに結婚の挨拶をしている二人を見て、凄く幸せそうな2人を見て優は顔は笑顔で祝福してるように見せていたが心の中ではここから消えてしまいたい気持ちで一杯だった。
仕事から帰った優は自分がしているブログを開いて全ての事を綴った。
するとしばらくしてからコメントをくれた人がいた。
「切ないね~。けどまた、すぐいい出逢いあるよ!」
そんなコメントをくれたのが貴也だった。
優のブログの友達一覧に貴也がいるのは知っていた。だけど優が何を書いてもいつもコメントくれることはなかったし、優も貴也の日記などにコメントなど書いたことがなかった。もちろん顔も性格も知らない。優は貴也のプロフィールを開いてみた。
2つ年上の24歳。ギターとカメラが趣味のフリーターだった。
今まで貴也を気にもしていなかったから知らなかったがブログには沢山の写真がアップされていた。空の写真が多かったが、お花の写真。車の写真。公園で遊ぶ子ども達の写真。数えきれないほどあった。優は時間が過ぎるのも忘れその写真を夢中で見ていた。

2、「初対面」
貴也のブログを見て以来優は貴也事が気になり出した。恋とかではない。優は貴也の写真が大好きになった。どんな人なんだろうと思うようになった。どんな気持ちでどんな顔をして写真を撮ってるのか凄く気になったのだ。貴也に会ってみたい思っていた。その願いが叶ったのか、貴也はブログにあることを綴った。
「久しぶりにみんなで集まろうと思ってます。沢山のご参加待ってまーす」
という短い内容たったが優は詳しく知りたいと思い貴也に個別でメッセージを送った。
半年に一回くらいの程度だが貴也主催で飲み会を実施しているらしい。ブログで知り合ったのも何かの縁その出逢いを大切にしていきたいという気持ちらしい。誰でも参加出来るみたいなので優も参加する事にした。
当日ー
優は緊張と不安と嬉しさで家を出た。
開催場所は貴也の地元。他府県。優の住んでいる場所から電車で1時間半はかかる。1人でこんなに遠征するのは初めてだった。初めて降りた駅。見知らぬ土地。駅中で、貴也に教えられた待ち合わせ場所に行きたいのだがどういけばいいのかわからない。近くに居た駅員さんに聞くと親切に教えてくれた。
待ち合わせ場所に辿り着いたので貴也にメッセージを送ると近くにいるらしい。優は辺りを見回した。
だけど優は貴也の顔を知らない。勿論貴也もだ。優は自分の服装や持っている鞄を貴也にメッセージで伝えた。暫くすると後ろの方から視線を感じたので振り向くと1人の男性が携帯と優の方を交互に見ている。
(あれ?もしかして)
その男性は少し微笑みながら歩いてきた。
「優ちゃん?」
男性は問いかけた
「はい!」
優は元気よく返事をすると男性は満面の笑みになった。
「貴也です!」
2人は深々と頭を下げた。貴也の案内でカラオケに向かった。部屋にはもうすでに何人かの男性も女性も居て人見知りの優は人数の多さに固まってしまった。すると貴也が優の肩をポンと叩き
「優ちゃんです!みんな仲良くしてあげてください」
と変わりに言ってくれた。
仕事先でもあまり沢山の人と会話をしないます優は端の方に座り大人しくしていた。みんなは何度か会ったことあるみたいだったので個人で話したり皆で話したり、カラオケをしたりと盛り上がっていたが優はついていけなかった。
(来ない方が良かったのかも)と心の中で思っていた。皆で騒ぎたかったわけじゃない。ただ貴也がどういう人なのか知りたかったのだ。
どんな風に写真を撮ったりしているのか知りたかったのだ。こんな風になるなら正直に貴也にメッセージを送り個人で会うようにすれば良かったのかもしれない。優は後悔して目の前に置いてあるジュースを飲むことしか出来なかった。
すると貴也がマイクを手に取った。
「優ちゃーん!!」
呼ばれたことに驚いた
「はい!」
「優ちゃんは最近どうですか?前好きだった人のこと忘れられた?」
その質問に優は再び驚き、周りの皆も驚いた
(え~~~~~~やめて~。こんなとこでそんな話しないでよー貴也君無神経)
「ここでみんなに聞いてもらった方がスッキリするよ!」
貴也のその言葉に周りのみんなは興味津々な顔をしていた。優は好きだった上司の話をした。