気付いたあたしは高い天井の真下にいた
「ん…ここどこ…?」
なんだか頭がズキズキする
お腹も痛い気がする
それでもゆっくりと起きあがろうとする
「目、覚めたんだ。」
その時奥の方から低い声が聞こえた
その声の主を見たあたしは思わず心臓がドキッと高鳴った
柔らかそうな髪に整った顔。
あたしの10倍はあるんじゃないかと思うほどの背丈
誰…この人…?
「あ、あの…」
「細かい事は後で話すから。とりあえずこれ食って」
そう言って湯気の立つお皿をテーブルにトンと置いた
「お粥…?」
その中には美味しそうなお粥が入っていた
「病人にはこれが一番だと思って」
「え、病人って…」
「覚えてねーのか。あんたカラオケ屋でぶっ倒れたんだよ。熱も結構あったみたいだからここ連れてきた」
「えと…すみません…あの、あなたは…?」
「あーもういーから早く食え!」
そう言ってあたしの口に強引にお粥を入れる彼
「んっ…!」
「質問は後で。それ食い終わったらちゃんと教えるから。それとも全部俺に食べさせてほしいとか?」
体中が一気に熱くなるのが解った
「そ、そんなんじゃ…!」
「だったら早く食え。」
彼はそう言ってまた奥の方に消えた
な、なんなのあの人…!
ちょっとカッコいいなんて思ったけど撤回!撤回撤回撤回!!
あんなのただの意地悪男じゃないっ!
看病してくれたことには感謝するけどっ
無駄に美味しいこのお粥もムカつくし!
