───バタン!

ある部室のドアが勢い良く開く。

「大変です!また連続怪奇殺人事件が発生しましたよ!」

ドアの先から出てきたのはリュウキだ


「そんな事知ってるに当然だろ。」


連続怪奇殺人事件

自殺や事故では有り得ない手口でいつも殺人が起きている。背中の手の届かない部分に包丁が刺さっていたり、首の後ろに、そして器用にナイフが刺さっていたり。
しかし犯人の髪の毛も血液も指紋も唾液も、犯人と争った形跡も全く無くて、不審者の目撃情報、またはそれらしきものが全く無いため、幽霊がやっているのではないかという噂も飛び回っているのだ。



「面白そうだねえ。誰か警察官が親戚にいる人いないのかなあ」


部長のサユナがケラケラ笑いながら菓子パンにかぶりつく


「いるわけねーだろ。いたとしても交通課だな。殺人事件取り扱うような警察官を親戚に持つ奴は多分いねえよ」

副部長のルイがずり落ちた細長いメガネを中指で押し上げる


「いい加減ルイもコンタクトにしろよ。顔だけは良いんだからさ。いつまでもそんな黒で囲まれたメガネでカメラぶら下げてると良い彼女もらえないよ」


タツヤが笑いながら言った。

「彼女とかいらねえし」



「リュウキ、今すぐ生徒手帳登録表プリントしてきて。幽霊倶楽部だって言えばプリントしてもらえるから」

カレンが何かを思いだすかのようにリュウキに頼む。

リュウキは走って部室を出ていく


そう、ここは幽霊倶楽部。


「どしたの、カレン」

「いや、友達が言ってたんだけど、物凄く霊感が強いっていう不登校の子がいるらしいから…名前は照神泉って言うんだけど」