そう思うと、余計に涙が出てくる。



私が彼女なのに…っ。



「ほったらかしって…もともと相手には…」



「…ごめん、私帰るね」



るー君の言葉を遮り、小さい声で呟く。



聞こえたかわからないけど、勢いよく振り向いたるー君を見ると、聞こえたようだ。



そんなるー君を横目に、私は教室までの道を歩き出す。



「ちょっ!先輩っ!?」



「奥田くんは行っちゃヤ〜ダっ♪」



「離せって!」



会話からして女の子に捕まったんだろう。



本当はるー君に触れてほしくない。



だけどるー君は物じゃないから。



るー君はるー君だけのもの。



だから私は何も言えないんだっ。



「っ…遥先輩っ!!」



弱い彼女でごめんなさいっ。



教室に戻る気になれず、屋上へと足を向ける。



この時期は寒いだろうけど、今の私にはそれぐらいかいい。



頭を冷やすのには…。