私だけを見てほしいのに…るー君は私じゃない女の子を見ているっ。



それがとても耐えられないよ…。



もう引き返そう。



るー君に気づかれないように。



だけど、そんな私の思いは簡単には通じてくれない。



｢…はるか…先輩…？｣



ねぇ、どうして気づくの？



なんで名前を呼ぶの？



泣きたいのを我慢してるのにっ…。



抑えられなくなっちゃうよ…っ。



｢っ…｣



ダメっ！



ここで泣いたらるー君に気づかれちゃうっ！



｢遥先輩？｣



声の大きさから、るー君がだんだんと近づいてくるのがわかる。



近づいてくるるー君と、距離を広げる私。