その少女は、生まれつき色素が薄かった。 雪のように真っ白な肌、 透き通るようなベージュの瞳、 光に輝く金色の髪。 さらにドレスが似合う華奢な体にスラっと伸びた長い足。 高いピンヒールをコツコツ鳴らしながら颯爽と歩くその姿は、誰もが振り向かずにいられないほど優雅で美しい。 だけど生まれつき右腕の肘から下だけが、まるで魔界の夜のように真っ黒だった。