一日の授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。



「やーっと終わったー!!!
帰ろ!未月」


愛奈はうーんと背伸びをして私の元へ来た。


「うん、帰ろうー!」



二人で帰り支度をしていると、



「未月!」


と廊下から私を呼ぶ声が聞こえる。



「莉一!泉!」


目をやると、ニコニコしている莉一と、相変わらず無愛想な表情の泉。


莉一が居ることで少し心配になった私はふと、愛奈に目を向けたが、そこには普段通りの愛奈がいた。


でも、変わったことが一つ。



莉一を見て頬を赤らめる愛奈はもういなかった。




「莉一たち…どしたの?」

「んー?今日から俺らの親旅行でしょ?
だからみんなでパーティーしようよー」


莉一も普段通り柔らかい物腰で淡々と話す。


「いいね!パーティー!」


「よし決まりっ!
愛奈もおいでね?」


莉一がニコッとしながら愛奈に話しかけた。


「もちろん!」




ずっと一緒だったからこそ、確かに二人にしかわからないことが変わったこかもしれないけど、


お互い避けたりしていなくて本当に良かった。