今にも飛び度しそうな心臓を押さえながら、晴ちゃんのために作ったチョコを晴ちゃんの口に入れる。
「………うま」
「良かったぁ…」
それから再び小さく口を開く晴ちゃんに私は何度かチョコを入れてあげた。
「ねぇ、これ他にも誰かにあげんの?」
晴ちゃんの言葉でハッとする。
そうだ、チョコをあげただけで私まだ肝心な気持ち伝えてなかった…。
「…他の人にも…あげるよ」
「…ふーん」
「でも、これ以外は義理チョコだよ」
やっと、ずっと言いたかった言葉を言えた気がして、私はうつむいてしまった。
するとクイっとアゴを持たれて自動的に至近距離で目が合う。
「もっと詳しく」
「…晴ちゃんが好き」
自然と出た自分でも驚くほどの告白のあと、晴ちゃんからの甘いキス。
「良く出来ました」
何度も何度も、キスをされて
何度も何度も、キスをした。
「ずっと待ってたんだよ、俺」
「…え?」
「去年の冬も待ってた。
今年はチョコ貰えなかったら…
噛んでやろうと思ってた」
今まで見たことのない意地悪な顔をするから、ドキドキが止まらない。
「うそ。」
そう言ってまたキスをする。
唇、頬、耳に晴ちゃんの温もりが伝う。
リップ音が激しくなるにつれ、全身から力が抜けていくような感覚に落ちそうになったとき、首筋にズキンとする痛みが走る。
「きゃっ…」
「チョコ貰ったのに、噛んじゃった」
意地悪な顔なのに、晴ちゃんの耳は真っ赤だった。
「未月、ずっと…好きだった」